まあ、もう一週間近くも前のことだから、結果は解りきっている。
フロントロウを独占し、スタートしたトヨタだが、Q3で少なくとも一台はフロントロウに並べようと考えたからだろう、燃料搭載量は少なく、軽いマシンでのアタック。それが功を奏し、フロントロウを独占できた。これはトヨタが冒した第1のリスクと言える。ここまではトヨタもある程度予定どおりと言ったところだっただろう。だが、すべては決勝で違いが出てきた。
マシンを軽くし、軽量な状態でのアタックだったから、そのままの状態でレースを迎えたトヨタ。それはつまり、早めのピットインでの燃料補給を意味する。ほかのトップ10マシンがだいたい15周前後でのピットインであるのに対し、トヨタは最軽量のグロックで11周、Trulliで13周というのが計量から計算出来ていた。そして、スタート。グロックがトップに立つ。ここも計算どおりだっただろう。だが…すべてはピット作業でおかしくなる。トヨタが冒さなかったリスクだ。ショート・ロング・ショートというスティント構成で、タイヤもオプション(ソフト)・プライム(ハード)・オプションと言う選択。もし、トヨタにブラウンGPのロス・ブラウンのような人物がいたならば、ここは変わっていたかも知れない。スティント構成は同じでも、オプション・オプション・プライムとなっただろう。第1スティントはそれほど接戦だった。タイムにあまり差がなかった。
だが、トヨタにはそうした経験と勘を持ち合わせた人物はどうやらいなかった。
そのため、冒すべきリスクを避け、当初の予定どおりの作戦で行く。タイヤに関してはBridgestoneが事前にオプションとプライムではプライムで1周あたり0.5秒遅いと言っていたし、おそらく、フリー走行のときにもそうした結果は出ているだろう。トヨタはオプションのタイヤの劣化を考え、このような作戦をとったという。だが…ロングスティントのため燃料をたくさん積み、重くなったマシンとオプションより0.5秒遅いタイヤ…。おそらく、ラップタイムの落ちは1秒以上あったのではないだろうか。そのため、すべては狂った。むろん、超接近戦とも言えるトップ10の戦いだから、グロックが中団に沈んだとかそうしたこともあるだろうが、基本的にはトヨタが冒さなかったリスクを見て…そして、F-1での経験を積んでいる指揮官たちはセカンドスティントもオプションを装着した。これによってフューエルエフェクト…燃料積載量がラップタイムに与える影響を少しでも緩和しようというもの。それは功を奏し、ブラウンGPのバトン、レッド・ブルのヴェッテルがトップ集団で快走。
そして、ブラウンGPのバトンが優勝、レッド・ブルのヴェッテルが二位。トヨタはTrulliがかろうじて三位でフィニッシュ。グロックも最低限の仕事、ポイントを獲得し、最悪の結果とはならなかった。が、良くない結果であることは間違いない。
レース後、トヨタの関係者はピット戦略のミスを指摘していたし、それだけ悔やまれるレースだったと言えよう。だが…刻一刻と変わる現場で判断、決断を変更することは難しい。それでもなお、リスクを冒さなければ栄光を手にすることは出来ない。それを学べただけ良かったのかも知れないが…。
ともかく、この結果を次に生かすことが出来なければトヨタは棚ぼたでの優勝はあっても、自力での優勝はないのではないだろうか。そう思えてならない…。
あー…ひいきのBMWザウバーは、マシンが悪いのか、後方集団に沈み、完走はするものの、それだけ。
やっぱり、KERSを積んだマシンで長身かつ体重のあるクビツァにはきついのかなー…。次からいよいよ本番のヨーロッパラウンドだから、なんとか挽回して欲しいものだ。
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